心理学は、一般にはかなり誤解されているように思えます。
例えば、TVのバラエティ番組でよく放映されているように、性格診断テストをして(絵などをゲストに描いてもらって)、「その人の性格や深層心理などを当てる!」なんて言ってますが、そのような、心理学者(もちろん中には、心理カウンセラーなどという資格もないのに適当にカウンセラーを名乗ってる人も多いようですが、)の判断は、かなり心理学者によって判断が分かれる、つまり妥当性に欠けるわけです。
個人の判断はやはり、今まで臨床経験から蓄積された、主観的判断になりがちです。
これでは、心理学とはいえません。
心理学は一般には科学と言われています。
科学では、「こころ」という不確かなものを扱いつつも、具体的データという証拠に基づいたエビデンスベイスト(evidence-based)な状態が求められます。
TV番組での性格検査は、ほんの一例ですが、確かに臨床心理学においてクライエント(被験者)の人格の検査(その人の持つ欲求、態度、情緒的特徴、などの心理的な測定する検査)ために、いわゆる投影法と呼ばれる検査法を使う場合もあります。
投影法とは、有名なバウム・テストのように、
「実のなる木を一本描いてください」
と、検査者が被験者に指示します。
被験者は(何を求められているか、詳細は説明されないため、)あいまいな状況におかれるわけですから、さまざまな反応の仕方(絵の描き方)があるわけです。
もちろん、描かれた絵のパターンがありすぎるわけですから、解釈に検査者の主観が入り込む余地が多くあり、妥当性の高い評価ができるようになるには、熟練を要します。
そのように、投影法では、解釈が難しくなるのは当然といえるわけで、TV番組での性格検査は、妥当性が高いとは言えず、(検査者が、よっぽど熟練を要した臨床心理学者でない限り、)判断の内容に問題がある場合が多い、としかいいようがありません(ただ、バウム・テストに関しては、木を描くだけなので、まだ投影法の中では解釈はまだ簡単なほうといわれています)。
少し前置きで、一般に世間で誤解されている「心理学」の落とし穴のついてふれてみました。
心理学に興味をもってもらえたでしょうか?
今回は、そんな「心理学」というアカデミックな学問にふれる入門書を紹介したいと思います。
まず、概論書として、心理学がどんな学問か知りたい人には
図解雑学
心理学入門
ナツメ社
がイラスト入りで分かりやすく、飽きずに三時間くらいで読めます。
著者は、第一線で活躍しているような研究者ではなく、臨床心理士として臨床にたずさわっている人たちが書いているので、内容にはちょっと物足りないですが、入門ならこれくらいでいいでしょう。ただ、臨床家が書いているだけに内容に偏り(臨床のほうが比重が大きい)があります。
ナツメ社の図解雑学シリーズは、イラスト入りで分かりやすく、心理学関連の書籍も充実しており、おすすめです。
ちょっと難しいけど、学問の奥深さを知りたい人には
心理学ナヴィゲータ
北大路書房
がおすすめ。一般に心理学系以外の、大学の心理学の教科書として使われている平易な心理学概論のテキストです。
内容は広く浅く、ですが、初心者にはこのくらいまでがいいかなと思います。
ただ、教科書なので、文体は固いです。
次回は、学問的な心理学は置いとくとして、もっと実用的な、使える心理学の本を紹介しますね!
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